標記について、一度は考えてみたことがあるマイラーは少なからずいらっしゃると思います。
考えるだけではなく、こうやってルートを作成してみたりとか。
しかし、必要マイル数や有給休暇、現地滞在費や意外と嵩むサーチャージ・諸税、そして家族との兼ね合いなど複数の制約に縛られることに改めて気づかされ、妄想レベルで終わってしまう場合がほとんどではないでしょうか。
今般、たまたま諸々の条件がすべて揃いANAスターアライアンス世界一周特典航空券を発券して、2月から世界一周を開始する予定ですが、発券する前に、マイルを使った世界一周についてどのキャリアを利用するのがベストか調べてありました。
陸マイラーの場合は必然的にANAのマイレージを使うことになりますが、そうでない場合はANA以外にも選択肢があります。
しかし、いざ比べようとした場合、有償の場合はアライアンス毎に運賃やルールが決まっているため比較しやすいのですが、貯まったマイルを使う場合は統一的なルール等がなく、航空会社毎に定めているのが実情のようです。 また、特典航空券制度自体ないような航空会社も。
このような状況なので、比較したつもりでもわかりづらいところがあるかもしれませんがご容赦ください。なお、ルールの細かいところ等は今回比較対象外としています。
ただし、ANAに関しては、自らの発券手続き経験を踏まえ、細かいところ含めて以下で詳細整理しました。HPで公開していない内容含め発券担当者に確認していて、その結果も書いてます。ANAでの世界一周特典航空券を検討中の方は、こちらをご覧になった方がよろしいかと思います。
【もくじ】
もくじ
調査対象航空会社
アメックス「メンバーシップ・リワード」によりポイントを移行可能な航空会社のうち、主に日本語で世界一周または世界一周に準ずる特典航空券制度の存在を確認できた会社。
(全日空、キャセイパシフィック航空、ブリティッシュエアウェイズ、シンガポール航空、タイ国際航空の6社)
特典航空券制度概要比較
コード | キャリア | 一周制度 | 距離制限 | 都市数 |
---|---|---|---|---|
NH | 全日空 | 有 | 有 | 8 |
JL | (参考)日本航空*1 | 有 | 有 | 7 |
CX | キャセイパシフィック | 無*2 | 有 | 5 |
BA | ブリティッシュエアウェイズ | 無*3 | 有 | ? |
SG | シンガポール航空 | 有 | 無 | 7 |
TG | タイ国際航空 | 有 | 無 | 10 |
途中降機回数補足
NH:最大8回(欧州は3回迄、日本国内は4回迄)
JL:旅程全体で7回(欧州は合わせて7回迄)
CX:5回、乗り換え2回、オープンジョー2回(出発点、中間点、折り返し地点)
BA:記載なし
原文ママ。
旅程距離別必要マイル数比較
18,000マイル以内
モデルルート
東京-北京-ローマ-リスボン-ニューヨーク-東京
1,310+5,060+1,140+3,360+6,750=17,620
北緯40度を単純に1周したら計算上19,000マイルくらいになるので、果たして18,000マイル以内でルート組めるのかなと思ったのですが、意外とちゃんと組めるものなのですね。実際は北極圏等の最短ルートで飛行しているからなのでしょうが。
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
14,001~18,000 | NH | 65 | 105 | 160 |
14,001~20,000 | JL | 90 | 120 | 170 |
14,001~18,000 | CX | 90 | 135 | 190 |
14,001~20,000 | BA | 100 | 200 | 300 |
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
ANA一択であることは自明です。
エコノミークラスなら、雨金移行上限内に収まります。
ビジネスクラス以上は、その他の手段で不足マイルをゲットしましょう。
雨金マイルのみでと言う場合はCXが次善の策になりますが、ワンワールドで18,000マイル以内のルートを組めるかどうかはわかりません。
(モデルルートは、スターアライアンス便の利用を前提として組んでます)
20,000マイル以内
モデルルート
東京-北京-ローマ-リスボン-ニューヨーク-サンフランシスコ-東京
1,310+5,060+1,140+3,360+2,580+5,150=18,600
東京-香港-フランクフルト-ニューヨーク-サンフランシスコ-東京
1,790+5,690+3,840+2,580+5,150=19,050
東京-バンコク-ローマ-リスボン-ニューヨーク-東京
2,850+5,490+1,140+3,360+6,750=19,590
多少の南下や途中降機回数の増加が許されるようになるようです。
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
18,001~20,000 | NH | 75 | 115 | 180 |
14,001~20,000 | JL | 90 | 120 | 170 |
18,001~20,000 | CX | 95 | 140 | 205 |
14,001~20,000 | BA | 100 | 200 | 300 |
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
こちらも、ANA一択です。
エコノミークラスなら、雨金移行上限内に収まります。
ビジネスクラス以上は、その他の手段で不足マイルをゲットしましょう。
雨金マイルのみでと言う場合はキャセイが次善の策になります。
25,000マイル以内
モデルルート
東京-シンガポール-コペンハーゲン-フランクフルト-パナマシティ-トロント-東京
3,290+6,190+421+5,650+2,390+6,400=24,301
北半球内をジグザグに一周する感じにしましたが、25,000マイル内に収まりました。
北半球内のみを回るなら、比較的自由に旅程を組めそうな感じです。
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
22,001~25,000 | NH | 100 | 145 | 220 |
20,001~25,000 | JL | 120 | 150 | 230 |
20,001~25,000 | CX | 110 | 160 | 235 |
20,001~25,000 | BA | 120 | 240 | 360 |
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
依然として、ANAの必要マイル数が最も少ないことには変わりません。
が、この辺りからキャリア間格差が縮まっています。
訪問都市が少ない場合であって、今年中に世界一周を始めたい場合はキャセイも十分検討対象になるのではないでしょうか。
概ね35,000マイル以内
モデルルート
東京-オークランド-サンティアゴ-ロンドン-ヨハネスブルグ-香港-札幌
5,490+5,990+7,240+5,630+6,640+2,120=33,110
下の「概ね50,000マイル以内」のモデルルート作成に際し、キャセイを活用した5都市・50,000マイルのルートってあるのだろうかと頑張って南北入り混ぜて組んでみたのですが、こちらのカテゴリに収まってしまいましたw
いずれにしても、南半球が絡むとこのカテゴリになる可能性がある、ということです。
ちなみに、冒頭の画像はコチラのルートを作成した時のスクリーンショットです。
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
29,001~34,000 | NH | 140 | 200 | 300 |
29,001~34,000 | JL | 150 | 200 | 300 |
25,001~35,000 | CX | 130 | 190 | 275 |
25,001~35,000 | BA | 140 | 280 | 420 |
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
ANAとキャセイで必要マイル数が逆転しました。
よって、キャセイ一択…と言いたいところですが、この距離で5都市以内という縛りは思ったよりキツいです。
マイル数は多くなりますが、ここからシンガポール航空(7都市まで可)が検討対象に入ってきます。
あとは、ANAで14万マイル以上貯まるのを待つか…と言った感じでしょうか。
概ね50,000マイル以内
モデルルート
もし5万マイルギリギリでとなると、赤道2周分ってことですよね…
正直思いつきません…ゴメンナサイ…
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 航空会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
44,001~50,000 | NH | 200 | 300 | 450 |
34,001~50,000 | JL | 160 | 220 | 330 |
35,001~50,000 | CX | 150 | 220 | 335 |
35,001~50,000 | BA | 160 | 320 | 480 |
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
数字だけ見るとキャセイが最適ですが…
どのようなルートで実現するのか想像つきません。
シンガポール航空(7都市)やタイ航空(10都市)なら、40,000マイルくらいは実現するのでしょうか?
ANAは8都市ですが、必要マイル数が多いので検討対象から外れます。
50,001マイル以上
モデルルート
略
航空会社別必要マイル数
旅程距離計 | 航空会社 | Y | C | F |
---|---|---|---|---|
制限なし | SG | 180 | 240 | 360 |
制限なし | TG | 220 | 340 | 480 |
必要マイル数の単位は千マイル
調査結果
ANA等は5万マイルまでの設定ですが、距離制の設定がないシンガポール航空等は無限可能なのでしょうか。
英語サイトをくまなく調べればわかるのかもしれませんが、需要ないですよねw
調査結果等まとめ
ANAとJALを並べてみて、ある飛行距離以上からJALが有利になっていくのを知ったことから、他のキャリアはどうなんだろう…もっと良いキャリアがあるんじゃないか… と調査を始めたのですが、訪問都市数が限られた中で数万マイルを一方通行で一周するということ自体現実的でないことが判明。
結局、現実的にはANAがベスト且つ無難と言うことですね。
「特典航空券 世界一周」で検索すると、ほとんどがANAを紹介しています。
公式サイトでも日本語で条件やルール等がしっかり記載されています。
条件だけならキャセイを頭の片隅においてもよいのでしょうが、そもそも世界一周が認められているかわかりませんし、認められていたとしても基本言語が異なる中でややこしいルールの存在は不安。
よって、現在の私的結論は
「今後検討する場合は、とりあえずANAのみで」
他の人に対しては、
「ANAで必要マイルが貯まるのを待つのが無難」
実は、調査開始段階から↑の結論になるだろうとは薄々感じていたのですが、念のため確認しておきたくて。
ただ結論ありきのため詳細は未確認、マイルが増えるにつれ雑な考察となったことお許しください。
結論が変わってしまうような情報・事実等ありましたら、情報提供くださると助かります。
この記事をご覧になった読者の方が「万が一」妄想を膨らませ、妄想と現実が混同してしまった結果、家庭不和に陥ったとしても責任は負えませんので、あしからずご了承くださいませ。
(半分自分に言い聞かせてますw)
参考記事等
各社条件等スクリーンショット
NH
JL
CX
BA
ソース等
NH
ご利用条件│提携航空会社特典航空券│マイルを使う│ANAマイレージクラブ
CX
https://www.asiamiles.com/am/ja/redeem/charts#2
BA
British Airways – Login(メンバーの方はログインして下さい)
SG
https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/ppsclub-krisflyer/use-miles/redeem-miles/star-alliance-round-the-world-award/
TG
https://www.thaiairways.com/static/common/pdf/royal_orchid_plus/Redeeming/Star_Alliance_Chart.pdf
以下参考
(参考)JL
JALマイレージバンク-ワンワールド特典航空券 マイル早見表
(参考)LH
https://www.miles-and-more.com/online/portal/mam/jp/spend/flight/offer?nodeid=2557488&l=ja
(参考)KE
世界一周特典利用規約 – Korean Air
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