【福岡空港民営化】国内線と国際線の将来はこうなる!ホテルや商業施設含めた将来イメージがついに公表

2019年4月に民営化される予定の福岡空港ですが、優先交渉権者による計画概要「30年後の福岡空港の将来イメージ」等の計画概要が公表されました。

公表資料リンク(国交省ホームページ)

そのまま優先交渉権者が辞退とかしない前提ですが、福岡空港の将来は一体どうなるのでしょうか。独自に調べた内容も含め、わかる範囲で解説したいと思います。

その前に、まず優先交渉権者の素性を知っておく必要があります。

優先交渉権者「福岡エアポートHDグループ」とは

5つの企業連合が手を挙げた中で、いわゆる地元の企業を中心とした「福岡エアポートHDグループ」が優先交渉権者として選定されました。個人的には、地元企業のグループだといいなあと考えていてその通りになったので良かったですね。結果オーライとは言え、1次審査では5グループ⇒3グループに絞られた中で3番目の点数だったのが2次審査で大逆転したようで、厳しい戦いだったことがうかがえます。

「福岡エアポートHDグループ」の構成は以下の通りになってて、

代表企業福岡エアポートホールディングス(株)
コンソーシアム構成員西日本鉄道(株)
三菱商事(株)
九州電力(株)
Changi Airports International Pte.Ltd
大成建設(株)

青字の企業がいわゆる地元企業で、特筆すべきは、世界No.1の空港と言われるシンガポールチャンギ空港を運営する会社が構成員に含まれていることです。地元に取ってもらいたかったと言うのは、地元企業で運営してほしいという気持ちもありましたが、福岡空港があのチャンギ空港のような国際空港へ生まれ変わることへの期待が大きかったのです。

チャンギ空港の運営会社が構成員となり、福岡空港はどのように変わるのでしょうか。

30年後の福岡空港の将来イメージ

東アジアトップクラスの国際空港となるイメージで、具体には

  1. 航空ネットワークを拡充し、国際線を14ヶ国・地域、51路線に就航
  2. 旅客数3,500万人に引上げ
  3. 世界最高水準の5スターエアポートに定着

という壮大な構想を掲げています。

航空ネットワークを拡充

路線2018年2023年度2048年度
現在5年後30年後
国際線10ヶ国13ヶ国25ヶ国
18路線26路線67路線
 うち東・東南アジア8ヶ国11ヶ国14ヶ国
15路線22路線51路線
国内線23都市23都市30都市
26路線26路線33路線

国際線に関しては、短期的には東南アジア路線を拡充、長期的にはアジア以外の路線(欧米豪印)を拡充するイメージです。「アジアのゲートウェイ」を確固たるものにする考えで、特に30年後の東・東南アジア14の就航国数は日本一となるそうです。

旅客数を3,500万人へ引上げ

ネットワークを拡充した結果として、旅客数3,500万人(国際:1,600万人、国内:1,900万人)となるイメージだそうです。この数字がどのくらいのインパクトがあるかについて、資料を参考に解説しましょう。

まずは、福岡空港の最近の旅客数と比べてどうなるか、について表にまとめました。

路線等2016年度2048年度倍率
国際517万人1,600万人1,083万人約3.1倍
国内1,713万人1,900万人187万人約1.1倍
2,231万人3,500万人1,269万人約1.6倍

全体としては1.6倍の増ですが、国際線は実に3倍となる計画となっています。18路線⇒67路線なので、3倍も控えめな数字かもしれません。

次に、他の国際空港と比べてどうか、です。

路線等2016年度
成田(国際)3,003万人
関西(国際)1,904万人
羽田(国際)1,564万人

国際線の1,600万人は、2016年度(平成28年度)の羽田空港国際線を超えると言っていることがお分かりかと思います。30年後の福岡空港国際線ターミナルは羽田空港国際線ターミナルを想像すればよいかもしれませんね。

スポンサーリンク

世界最高水準の5スターエアポートに定着

「SKYTRAXが実施するWorld Airport Star Ratingで世界最高水準の5スターエアポートに定着」を掲げています。

現在の5スターエアポートはSKYTRAX社によると以下の9空港だそうです。

バクー(ヘイダル・アリエフ)国際空港
チャンギ国際空港
中部国際空港
海口美蘭国際空港
ハマド国際空港
香港国際空港
仁川国際空港
ミュンヘン国際空港
東京国際空港

2018年現在、福岡空港は世界のTOP100空港ランキングランキングのちょうど100位となっています。(2017年は103位。1位はもちろんチャンギ空港)1位のチャンギ空港がテコ入れすることで、ランキング上位入りも期待できますね。

福岡空港が東アジアトップクラスの国際空港になるための取り組み

具体的に踏み込んだ内容はあまりないのですが、これからと言ったところでしょう。本当は一番大事なことなのだと思いますが、勝算はあるのでしょうか?先行して民営化した空港はうまくいっているのでしょうか?今後もモニタリングしていく必要があるでしょう。

エアライン誘致に向けた施策

2019年~2024年(6年間)を制約期、2025年~2033年(9年間)を成長期、2034年~2048年(15年間)を拡充期として、段階的に就航路線を拡充する方針のようです。具体的な施策は誘致・料金の2本立てとなっていて、

  • 就航実績を元にした誘致手法の導入
  • エアライン誘致専任部署の設立
  • 日本・海外拠点の連携による営業活動の実施
  • わかりやすい料金体系の導入
  • ターゲット路線の誘致と定着を図る長期割引の導入
  • 新規路線と増便を喚起する割引体制を導入

とのこと。この役割はどの構成員が中心となって担うのでしょうか。三菱商事?

関係地方公共団体等及び北九州空港との連携

これは、福岡県・福岡市や地場企業とのパイプがある西鉄や九電が中心となって頑張るのでしょう。関係団体等との具体的な連携強化策は示されていませんが、北九州空港との連携については、

  • 早朝・深夜便を24時間空港である北九州空港に誘導
  • 貨物専用機の誘致、北九州空港の貨物拠点化を支援

などある程度具体的な内容まで言及しています。LCCは北九州空港へ…という議論もあったような記憶がありますが、どうでしょうか。

エアポートシティの実現

  1. 国際線旅客ビルを旅客数1,600万人対応に拡張
  2. 都心部に不足するホテル・オフィス機能を導入
  3. 国内線地区に複合商業施設を新設

など巨大な箱モノが空港周辺に建設・拡張されるイメージでした。優先交渉権者選定の2次審査項目の中で、「空港活性化を目的とする設備投資の総額及びそれに関する提案」というのがあったのですが、選定された「福岡エアポートHDグループ」の得点がダントツで、他グループの2倍近い得点だったのですよね。利用者数増という前提はあるのでしょうが、これだけ評価されて期待されているのであれば、箱モノ建設の実現可能性は高いと考えています。

国際線旅客ビルの拡張

スポンサーリンク

国際線旅客ビルは、増設滑走路が供用開始される2025年めどに拡張されるようです。あと、LCC棟と言うのが出来るようです。旅客としては、その中身(ラウンジ他上級会員用サービス等)が気になるところですが、その内容までは言及されていません。逆に言えば拡張される2025年までは現行のサービスが継続されることも考えられます。

ホテル・オフィス機能の導入

ホテルのグレードについては、リッツカールトン福岡のようには言及されていません。イメージ図を見ると、国際線ターミナルに1棟、国内線ターミナルに隣接する複合商業施設内にそれぞれ建設されるようです。国際線の場合は他の国際空港と同様、外資系など一定のレベルが維持されるのではないかと思いますが、アジア各国からのインバウンドツアー客や個人旅行者の需要に応えるべく、エコノミーホテルも誘致してくれると嬉しいなあと思ってます。国内線ターミナルにはどのようなホテルが誘致されるのでしょうか。

オフィス機能は、外資の需要対応と言うことでしょうかね。ただ、現在は福岡都心部でもオフィス床が足りなくなっているし、今後天神ビックバンなど再開発が進むと、さらに足りなくなる可能性があるので、外資に限らないのかもしれません。

いずれも具体的な時期は言及されてなく、需要や空港利用者の増加に応じてと言う感じだと思います。

複合商業施設の新設

複合商業施設は「年間800万人以上が利用」と表現されています。と言っても規模感がわからないので、近隣施設の利用人数をググって調べてみました。

施設名利用人数
アミュプラザ博多・博多阪急5,223万人
ソラリアステージ2,647万人
アミュエスト・博多デイトス2,018万人
キャナルシティ1,700万人
天神コア1,620万人
アミュプラザ小倉1,390万人
ソラリアプラザ1,388万人
リバーウォーク北九州717万人
チャチャタウン小倉702万人

福岡都心ほどの賑わいではなく小倉より少し多いような感じ…でしょうか?もう少し調べたらわかるのかもしれませんが、スミマセン。

国内線地区に新設と言うのは、インバウンドと言うよりは日本人向けを意識しているようです。ただ、九州各地や広島・山口など中国地方からのアクセスを強化する施策を講じるとはいえ、国内線の利用者が激増するような状況にはない中、大丈夫なのかなあと言う心配はあります。福岡の場合、空港から5分で博多駅、10分強で天神と商業施設の集積地に簡単にアクセスできますからね。品揃えに関して、街なか施設との差別化を図るものだと思われます。

空港アクセスの強化

国際線ターミナルから博多駅へのアクセスを強化(バスの本数を現行の4倍に)の他、各地への高速バス路線を増やすようです。あくまでも将来的にということで具体的な時期には言及されていません。

路線備考
小倉既存
久留米
大牟田・荒尾
佐賀
唐津
伊万里
佐世保
ハウステンボス
熊本
日田
別府
湯布院
黒川温泉
広島新規(案)
防府・周南
山口宇部
下関
直方
行橋
島原
大分
阿蘇
高千穂
延岡
宮崎
鹿児島

感想・まとめなど

予想通り、福岡空港民営化は、ほぼ「国際線の強化」とイコールと言うものでした。国内線は路線数も旅客数も当面はほぼ現状維持という状況で、計画として掲げている国際旅客1,600万人という構成のほとんどはインバウンドでしょうから、あまり恩恵を受けないではないかと肩透かしを食った国内旅客(特にドメ客)もいらっしゃるかもしれません。私自身も、転勤によりおそらく恩恵を受けないカテゴリに属するのだと思いつつ、アジア路線の拡充に伴い、東京⇒福岡⇒アジア各地という特典航空券発券パターンを楽しめる確率が高くなることを期待しています。

個人的に一番知りたかったのは「チャンギ空港が担う役割と施策・時期」だったのですが、世界最高水準の空港サービスの提供として

  • 空港サービスの質向上に向けた3F、Free「楽に」、Fast & Seamless「早く」、Fun「楽しく」を推進し、将来の変化にFlexible「しなやかに」対応
  • 旅客ビル施設では、おもてなし・賑わいを創出する演出を行い、日本の玄関の役割を担う
  • 内際連絡バスの専用道化等により旅客ビル施設間の移動時間を5分以内に短縮

程度でイメージ図が免税店くらいしかなかったのが若干消化不良。

あと「将来1,000万人の国際旅客増(3倍増)」とはずいぶん大風呂敷を広げたなあ(大丈夫かな?計画倒れにならないかな?)と言う思いはありつつ、旅客増の太宗を占めるインバウンド需要による福岡を始めとした九州・中国地方の活性化を期待しています。ただ国際路線を誘致するだけでは旅客は増えないので、民営化を成功させるには、国や広域レベルでの支援を受けつつ、まずは受け入れる地域等においてハード・ソフト両面の充実が急務という思いを強くした次第です。

今後のスケジュールは、

運営権設定・実施契約の締結  今年8月
ビル施設等事業の開始     今年11月
空港運営事業の開始      来年4月

となり、まずは来月に無事契約締結されることを祈りましょう。

以上、公表資料のほぼコピペになってしまい恐縮ですが、速報まで。興味がある方は、是非公表資料を読み込んで妄想してくださいね。プレゼンテーション資料でイメージ図などよりわかりやすい内容となってます。(この記事では自分の興味がある部分しか紹介していませんので…)

 

 

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください