JAL国際線特典航空券PLUSは改悪か改善か ルール変更の副産物含めて評価する

JALマイレージバンクHP上で、「JAL国際線特典航空券PLUS導入のお知らせ」がUPされました。ざっと読んでみたところ、事実上、JAL国際線特典航空券のルールが変更となる事前告知のようです。

ルールが変更となると、マイラーとして気になるのは「改善か?」「改悪か?」と言うことでしょう。これまでの歴史を振り返ると、外資系航空会社は、これまではどちらかと言えば「改悪」となる方向での変更を行ってきた結果、徐々にマイルの使い勝手が悪くなっていった経緯があります。

ただ、最近実施したアジアマイル(キャセイパシフィック航空のマイレージプログラム)の改定など、どちらかと言えば改善となる方向でのルール変更を行っており、一概に改悪とは言えないような状況にもあります。

さて、JAL国際線特典航空券のルール変更は改善改悪どちらなのでしょうか。

JAL国際線特典航空券ルール変更のポイント

簡潔に箇条書きすると、以下の通りとなります。

  • 追加マイルで特典航空券をより確実に予約可能に
  • 路線別に必要マイル数を設定、結果一部の路線で減少
  • その他細かいルールも変更
  • 新ルール適用は2018年12月を予定

いずれも、「JAL国際線特典航空券PLUS」導入に伴う変更となりますが、PLUSっていったい何でしょう??解説してまいります。

JAL国際線特典航空券PLUSについて

例えば2019年4月1日の特典航空券に空席がなかった場合、現行制度ではキャンセル待ちとなっていたのが、 追加マイル(+マイル)を支払うことで空席がある限り確実に座席を確保できるようになり、これを「JAL国際線特典航空券PLUS(+)」と称しています。
こちらの制度は、エコノミークラス・プレミアムエコノミークラス・ビジネスクラスが対象で、ファーストクラスは対象外となります。

一見、外資系航空会社によくある「セーバー/スタンダード」的制度を逆に読み替えているような印象を受けましたが、JALの場合は追加マイルが「予測座席に応じて変動」します。

エリア基本マイルPLUS最大
韓国7,50034,0004.5
アジア110,00078,0007.8
グアム10,00059,0005.9
アジア217,50093,0005.3
オセアニア20,00074,0003.7
ロシア17,500128,0007.3
ヨーロッパ26,000141,0005.4
ハワイ20,000114,0005.7
北米25,000135,0005.4

で、その変動幅はエリア・路線により最大で5~8倍とかなり大きいのが特徴。(上表はエコノミークラス片道の場合)

ただし、JALがにじみ出ししたチャート(12月の東京~ホノルル線)を見る限り、

  • 最大追加マイルは盆・正月・GWなどピーク時期のうち特にピークの12/29・30等限られた日付のみ
  • 連休や一部の週末なども追加マイルが発生
  • その他は基本マイルでOK(予測残席次第)
  • ハイシーズン(夏休み期間など)全体で追加マイルが必要となる可能性を残す
  • ハイシーズン以外でも、残席が少ない予測日は追加マイルが必要となる可能性を残す

と読めます。とんでもない追加マイルが必要な日が極めて限定されそうなのは安心材料な一方、8月が「-」になっているのが引っかかってます。ANAと違ってシーズン設定がないので、杞憂に終わるような気もしていますが、シーズン全体として予測残席が少ないとした場合、全日追加マイルが必要となる可能性も否定できないということです。
7月も20日頃からインフレしている可能性もあり、7~8月のチャートを見せてくれるとよりわかりやすかったのですが。

いずれにしても確実に座席を確保できるとは言いつつ、もし必要なマイル数が読めない状況だと、イザ予約の段でマイル数が不足してることが初めてわかり、旅行を断念せざるを得ない可能性があるということ。
JMB会員の懐(マイル)事情により、「旅のプランが立てやすくなる」とは限らないことに注意が必要です。

また、JAL国際線特典航空券PLUSの導入に伴い、当然のことながらキャンセル待ちは出来なくなります。また、予約変更する場合は一旦3,100円(税込)の払戻手数料を負担して払戻をした上、新たに予約を入れる必要があります。 事実上の予約変更不可という措置です。
これらは、旅行日によって必要マイル数が増減する可能性がある以上は単なる日付変更とは言えず、致し方ない措置と言えましょう。(PLUS対象外のファーストクラスも巻き添えとはちょっと…という想いはあります)同一区間の上位クラスの変更無料の廃止を含め、この際サービスを「予約変更不可(一旦とり直し)」とシンプルな制度に統一したのではという印象です。JALとしては、あくまでも制度運用の統一を念頭に、改悪の意識はなかったのではと想像しています。
しかし、ユーザ側としては、「1.払戻」「2.新規予約」の2ステップの手続きをしている間に残席がなくなってしまう・又は必要マイル数が増加してしまう…等のリスクを抱えてしまうことになります。2→1のステップで手続きができるほどマイルが余っていれば無問題ですが、せめて手数料ありでも予約変更は可にしてほしかったというのが本音です。

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東南アジア・欧州路線の殆どで必要マイル数が減少

従来はエリア別に必要マイル数が設定されていたのが、12月以降は路線別に必要マイルが設定されることになりました。
プレミアムエコノミー以上の上級クラスはエリア別マイルをそのまま引き継ぐのですが、エコノミークラスに限っては従来のマイル数を引き継ぐ路線もあれば、従来よりも少ないマイル数になる路線もあり、具体には東南アジア・欧州、そして高雄路線の必要マイルが減少することが判明しています。

都市等JAL
~11月12月~
ソウル、釜山7,5007,500
中国・台湾・香港(高雄以外)10,00010,000
高雄10,0008,500
グアム10,00010,000
シンガポール17,50012,000
ハノイ17,50013,000
ホーチミン17,50013,000
KL17,50014,500
ジャカルタ17,50015,500
バンコク17,50017,500
デリー17,50017,500
シドニー20,00018,000
メルボルン20,00020,000
モスクワ20,00017,500
フランクフルト27,50023,000
ヘルシンキ27,50023,500
ロンドン27,50026,000
パリ27,50026,000
ハワイ20,00020,000
北米各都市25,00025,000

いずれもエコノミークラスの片道発券に必要なマイル数で、12月以降は「基本マイル数(PLUSなし)」を入力。赤字の都市は、必要マイル数が減る都市。

特に、シンガポール便の必要マイル数がグイっと下がっているのが印象的です。
あの「エーゲ航空(12,500マイル)」よりも少ない!

これだけを見ると「改善」に見えますが、JAL公式HPでは「PLUS」の中で本件を説明しているのがちょっと気になってます。
もし12月以降の運用で「基本マイル」で予約できる日程が絞られたり確保できる席数が少なくなってしまうと、「最低消費マイル(基本マイル)」がいくらであっても、絵に描いた餅にしかならない可能性があるからです。
現行の「ディスカウントマイル」制度が継続するかにもよりますし、本当に改善されたかどうかは12月以降にならないとわかりませんね。 (ディスカウントマイルキャンペーンの実施については未定と公式発表有)

その他細かいルール変更等

JAL国際線特典航空券PLUS導入に伴い、諸々のルール変更がございます。

キャンセル待ち不可

出発直前に開放枠が広がる等で「キャンセル待ち⇒OK⇒ラッキー!」という期待を持てなくなりました。

予約変更不可

上で説明した通り、3,100円(税込)の払戻手数料を払って新たに予約を取り直さなくてはなりません。

国際線利用区間の減少

国際線が2区間まで利用できたのが1区間までとなります。
具体には、海外発の場合で「A国→日本→B国」の1旅程2区間での予約ができなくなり、「A国→日本」「日本→B国」と別々に予約しなければならなくなったということです。
PLUSの導入で通しでの必要マイル数の計算が面倒になり、システム改修が大変になるという背景があるのでしょうか?よくわかりませんが。
日本在住JMB会員の殆どには影響がないのですが、外国人マイラーが大騒ぎしそうなルール変更ですね。海外在住の日本人で、帰省ついでに第3国へ旅行したい…と言うケースで影響があります。

ファーストクラスとそれ以外のクラスでの組み合わせ不可

ファーストクラスがPLUS対象外となったことからこのような整理になったかと思われますが、「せめて、片道だけでも夢のファーストクラスを…」が不可となったことが、個人的には悲しいですね。って、往復でも片道×2本の予約を入れればキャンセルしたときの手数料が倍になるくらいで事実上無問題?

いずれもPLUS導入に伴う副産物的なもので、致し方ない内容だということは概ね理解できます。

ANA国際線特典航空券との比較

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これまで、JAL国際線特典航空券とANA国際線特典航空券の必要マイル数が横並びだったのが、
12月以降は袂を分かつことになります。

都市等JALANA
~11月12月~
ソウル、釜山7,5007,5007,500
中国・台湾・香港(高雄以外)10,00010,00010,000
高雄10,0008,500
グアム10,00010,000
シンガポール17,50012,00017,500
ハノイ17,50013,00017,500
ホーチミン17,50013,00017,500
KL17,50014,50017,500
ジャカルタ17,50015,50017,500
バンコク17,50017,50017,500
デリー17,50017,50017,500
シドニー20,00018,00022,500
メルボルン20,00020,000
モスクワ20,00017,500
フランクフルト27,50023,00027,500
ヘルシンキ27,50023,50027,500
ロンドン27,50026,00027,500
パリ27,50026,00027,500
ハワイ20,00020,00020,000
北米各都市25,00025,00025,000

ANAはレギュラーシーズンの必要マイル数。

シーズンにもよりますが、基本的にはJALの方が必要マイル数が少なくなる方向となり、JALの変更を受けANAも何らかの対策を打ってくる可能性があります。今後はANAの動向も要チェックですね。

個人的雑感など

ワンワールド・提携会社特典航空券制度に合わせてくるかと思いきや、ガラパゴス的な制度変更を実施するのはいかにも日本的と言うことでしょうか。
真の目的は中の人にしかわかりませんが、いずれにしても、企画担当者やその関係者は相当大変な思いをしたのではないかと思います。(自分だったら、心の中で「勘弁してくれ…」と呟きながら作業したと思います(笑))

このルール変更に関しては、色んな人が色んな思いを持つことでしょう。個人的な感想を申し上げれば、マイルを積めさえすれば盆・正月・GW等超ピークシーズンや夏季休暇、連休初日とかでも確実に発券できるのであれば、制度全体としては改善と評価します。
そのようなことができるようなマイル長者が超ピークシーズンに利用すれば、一般の人がその他のシーズンに利用できる可能性が高くなります。要は、一般の人も恩恵を受けられる可能性があるということです(希望的観測含む)。また、ピークシーズン以外でも特定の日に利用したい人にとっては、予約変更不可等によりマイル長者以外でも「(変更を前提とした)とりあえず予約」の人が減ることで、今までより予約しやすくなるのではないかという期待もあります。以上のことから、JALの言う「さらに便利に取りやすく」は、あながち嘘とは言えないのではないでしょうか。

ガラパゴス的な制度変更も「日本人の民族大移動」に対応した日本人的な制度設計と考えれば納得。かつては海外発券で年末年始の12/29発-1/3着の国際線を良く利用していたのですが、 (たまたまかもしれませんが)意外と空席があって、「あれっ?」と思ったことがありました。
高い運賃を下げることができずに空席が生じるのであれば、追加マイルで空席を埋めるというのはありでしょう。そして、「いくらマイルを払っても絶対に○月●日のフライトを確保したい」という需要は多くないのかもしれませんが、確実にあるはずです。特に上のホノルル線とかマイルが余っていれば、100,000マイル必要であっても飛びつく人が居るかもしれません。少なくとも陸マイラーの多くにとっては、現金よりもハードルが低いのではないでしょうか。

これが普通のハイシーズンや3連休とかでも変動幅が大きくなってしまうと自分も「改悪だ~」と騒いでしまうのですが、実際の変動幅がどうなるかは12月以降の運用を待つほかありません。ホノルルのチャートを見るかぎり、そこまでひどくはならないのではと思っていますが。

今後の改善要望として「予測残席に応じて変動」がプラスだけでなくマイナスに働く「直前割」のような運用(現行のキャンセル待ち開放に代わる運用)をしてくれると嬉しいのですが、無理かな。せめて、プラスが緩和されることを期待。

PLUS導入に伴う副産物的なルール変更(予約変更に実質3,100円の手数料)などは嫌われるのでしょうが、通常の航空券で同じことをやるともっと手数料がかかるし、そもそも変更に手数料がかかるのが当たり前だと思っていました。3,100円はサーチャージの変動幅に比べれば大したことないと思えば。少なくとも、ANAの3,000マイルよりはずっと良心的です。

ただ一つだけユーザ目線から納得してないのは、「手数料を払って一旦キャンセル⇒新規予約(手続き途中に残席ゼロとなるリスク)」。「手数料を払って予約変更可」だとよかったのに…

どのような制度であれ、特典航空券制度の最重要ポイントは「”希望の日時”で特典航空券を”適切なマイル数”で”確実に”発券できるかどうか」マイルは貯めるだけでは半製品、使えて初めて完成品です。

マイラー目線で考えながらつらつら書きましたが、書いていくうちに一般の人にとっては今までとあまり変わらない程度の、実は大したことない変更なのでは?と思うようになってます。皆様におかれましては、ルール変更に惑わされず、自然体で特典航空券を利用した旅行計画を立てればよろしいのではないでしょうか。

個人としては、元々「ワンワールド世界一周特典航空券(南米狙い)」を念頭にJALマイルを貯めていたのですが、もし12月以降に使い勝手がよくなる(適切なマイルで発券しやすくなる)のであれば、JAL国際線の利用も考えようかと思います。

 

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