「猫の島」相島の概要
「相島(あいのしま)」は福岡市近郊にある新宮(しんぐう)町にある、面積1.22km²・人口270人程度の小さな島ですが、猫の島ととして世界中に知られています。米大手メディアのCNNが「世界6大猫スポット」を発表して、相島がその一つに選ばれているからです。
6大猫スポットは世界各地に点在しているのですが、
- トッレ・アルジェンティーナ広場(ローマ)
- 田代島(宮城県)
- 相島(福岡県)
- 侯硐(台湾の新北市)
- カルカン(トルコのアンタルヤ県)
- ヘミングウェイ博物館(米国のフロリダ州)
そのうち2ヶ所が日本国内ってすごいですね!田代島が猫で有名なのは知っていたのですが、相島が有名なのは、福岡へ来て初めて知りました。
そこで、猫好きとしては行かないわけにはいかない!と、2017年と2018年に連続で相島へ行ってきた次第です。「噂に違わぬ猫島!」と皆様にもおすすめしたいのですが、手放しではなかなかおススメできないなあと思ったのも事実。それは行き方が難しく、鉄道や地元のバスを乗り継いだりとか、日に数本しかない船に乗ったりとか、地元の方でないとなかなか行きづらい場所にあるなあと言う感想を持ったからです。
そこで、今回は猫好きの方が気軽に迷わずに「猫の島・相島」へ行けるような記事を作成しました。福岡県民でなくても、東京や大阪、名古屋など遠方にお住いの方でもその気になれば日帰りも可能です。
「猫の島」相島へのアクセス概要
福岡市内から相島への行き方としては、公共交通機関を利用手段とする場合は大きく2通りあります。
- 博多駅方面からはJR・バス・船
- 天神方面から地下鉄・西鉄・バス・船
どちらにしても、ローカル交通の「船」「バス」をいかに効率的に利用するかがポイントとなりますので、まずはこの2つの概要から。
町営渡船(新宮~相島)
離島である相島へ行くには、必ず海上交通を利用しなければなりません。手段はただ一つ。新宮にある渡船場から相島にある渡船場まで町営渡船「しんぐう」を利用することです。概要としては、
- 片道運賃大人460円
- 所要時間は17分(20分弱)
- 春夏(4/1~9/30)と秋冬(10/1~3/31)でダイヤが異なる
- 1日6往復(冬ダイヤは5往復)
特徴としては、町営と言うことで「相島住民のための生活物資」「相島住民」の輸送を優先していることです。週末などは世界各地からの観光客が多いため観光船と勘違いしそうですが、れっきとした町による町民のためのサービスです。船の定員は150人で島の人口が270人のため通常意識する必要はないのですが、いざと言うときは観光客が乗船できなくなる可能性があることを頭の片隅に入れておいてください。運航スケジュールは、後ほど具体例で説明します。
以下は船内の様子。
新宮町コミュニティバス
JRや西鉄駅から新宮渡船場までは、新宮町が運営しているコミュニティバス「マリンクス」バスを利用します。
- 片道運賃一律100円(乗車時に支払う)
- 現金のみで交通系ICカードは利用不可
- 最寄り駅からの所要時間は10分程度
- 平日・土曜・日祝でダイヤが違う
- 公共施設を循環するため遠回り
こちらも町営なだけに「町民の足」として町民の使い勝手が良い路線・スケジュールとなっています。渡船場へ行くのに反対側の市役所へ行ったりとか、ハッキリ言って時刻表もルートもわかりづらい…船よりも注意すべき交通機関で、利用する場合は入念な調査が必要です。
鉄道(JR・私鉄・地下鉄)
相島へのゲートウェイは、
- JR鹿児島本線福工大前駅
- 西鉄貝塚線西鉄新宮駅
で、各地からJRや地下鉄、西鉄(私鉄)を利用して行くことができますが、基本的には博多駅からJRを使う方が所要時間は短くなると考えてください。交通系ICカードはJRでも地下鉄でも私鉄でもバスでも利用できます。
概要だけでもお読みになって、「うわ~乗り継ぎ面倒くさそう」「一々時刻表調べるの面倒」と億劫になったのではないでしょうか。福岡都心部から一気通貫で時刻を確認できるサイトがあればよいのですがなかなか見つけることが出来ず、私も調査に苦労した記憶があります。
皆様には、是非苦労せずに「猫の島」を体験してほしいと思います。以下、福岡市中心部からの行き方(具体的な時刻・総所要時間等)をご案内しますので、旅行プランニングの参考にしてくださいね。
福岡空港・天神・博多駅からのアクセス
これから紹介するのは、基本的に「週末ダイヤ」となります。観光客の週末利用を想定しているため、平日に行かれる場合はスミマセン。ほとんどの交通機関が平日と土曜休日とで結構ダイヤが違っていたので…
運賃・費用
博多駅から相島までの総運賃は往復で1,680円(片道840円)で、内訳は以下の通り。
JR | 280円 |
マリンクス | 100円 |
渡船 | 460円 |
片道運賃計 | 840円 |
往復運賃計 | 1,680円 |
福岡空港からアクセスする場合は、空港から博多駅までの地下鉄運賃(往復520円、片道半額)を、天神からアクセスする場合は地下鉄運賃(往復400円、片道半額)を加算してください。なお、天神から博多まではバスを利用すれば片道100円なので、時間に余裕があればこちらを利用してみてください。
モデル経路・時刻表
博多駅から「JR」「マリンクス(町営バス)」「しんぐう(町営渡船)」の3つの交通機関を利用する場合の時刻・経路・乗換地点等を以下の表でまとめました。各モデルで、相島で自由に散策できる観光時間も参考記載しています。
福岡空港や天神など他の場所から地下鉄で博多駅へアクセスする場合は以下で検索してください。平日・土曜休日でダイヤが異なります。
あと、往路の市内交通はギリギリにならないよう「もう少し早めに」しても良いかもしれません。
春~夏(4/1~9/30)
表の見方は…
- 青字:「マリンクス(町営バス)」
- 赤字:「しんぐう(町営渡船)」
- 黒字:JR
- 2段書きの場合、上から着/発
経路 | 午前中 | 昼 | 午後~夕方 | |
博多 | 8:14 | 10:30 | 13:30 | |
福工大前駅 | 8:32 | 10:49 | 13:49 | |
8:43 | 10:58 | 13:58 | ||
新宮港 | 8:53 | 11:08 | 14:08 | |
9:20 | 11:30 | 14:30 | ||
相島港 | 9:37 | 11:47 | 14:47 | |
観光目安 | 1時間 | 2時間 | 1時間 | 3時間 |
相島港 | 10:50 | 13:50 | 16:00 | 17:30 |
新宮港 | 11:07 | 14:07 | 16:17 | 17:47 |
11:24 | 14:29 | 16:29 | 17:59 | |
福工大前駅 | 11:35 | 14:40 | 16:40 | 18:10 |
11:44 | 14:44 | 16:49 | 18:25 | |
博多 | 12:01 | 15:01 | 17:03 | 18:40 |
秋~冬(10/1~3/31)
経路 | 午前中 | 昼 | 午後 |
博多 | 8:14 | 10:30 | 13:30 |
福工大前駅 | 8:32 | 10:49 | 13:49 |
8:43 | 10:58 | 13:58 | |
新宮港 | 8:53 | 11:08 | 14:08 |
9:20 | 11:30 | 14:40 | |
相島港 | 9:37 | 11:47 | 14:57 |
観光目安 | 1時間 | 2時間 | 2時間 |
相島港 | 10:50 | 14:00 | 17:00 |
新宮港 | 11:07 | 14:17 | 17:17 |
11:24 | 14:29 | 17:34 | |
福工大前駅 | 11:35 | 14:40 | 17:45 |
11:44 | 14:44 | 17:50 | |
博多 | 12:01 | 15:01 | 18:08 |
総所要時間は4~5時間程度。シーズンに関わらず、船やコミュニティバスのスケジュールに左右されるため、基本的には限られたスケジュールの中で観光することになります。お好きな時間帯を選んでいただければ。
観光時間は、猫と戯れるだけなら最低1~2時間、島内1周とか含めると最低2~3時間は必要ですが、いずれにしても日帰りでOK。東京とかでも飛行機を利用すれば十分猫の島・相島を満喫できることがおわかりですね!
ココからは、スムーズな乗換のため各乗換地点でどう振舞うかを説明します。
乗換地点での振る舞い
福工大前駅
北口(メインの出口)を出ると、目の前にコミュニティバスの停留所が見えます。西鉄バスとか他のバス会社の停留所とは異なるので、上の写真(新宮町コミュニティバス停留所)を参考にしてください。
⇒福工大前駅構内図(JR九州作成pdfファイル)
概ね時間通り(多少の遅延はあるかも)にこのくらいの大きさのバスがやってきます。ピンク色のバスですが、同じ色とは限りません。不安な方は「渡船場へ行きますか?」と運転手に尋ねてください。運賃100円は乗車時に支払います。
渡船場(待合所)
まずは新宮港。
▼渡船場の横にバスが停車するので、迷うことはないでしょう。
ただ写真をご覧になればお分かりの通り「待合所」以上の何物でもなく、ターミナルっぽさは皆無。
中は殺風景でコインロッカーはあるものの、売店も自動販売機もありません。
水分補給する場合は、外にいくつかある自動販売機を利用しましょう。
乗船券は、券売機で購入します。現金のみですが、1万円札も利用できました。注意点としては、「往復切符は売っていない」ことです。片道切符しかないため、帰りの切符を改めて相島で購入しなければなりません。片道切符2枚買っても往復切符にはなりませんので、くれぐれもご注意を。
乗船券は相島港で船から降りるときに係員に渡すシステムなので、乗船中はなくさないよう。(よって、乗船時のチェックはなし)
続いて相島港。
こちらも待合所です。
相島に着いたらその足で帰りの乗船券を買うとよいと思います。直前だと乗船券を買う人でいっぱいになる場合がありますので。
帰りの乗船券は相島港で船に乗るときに係員に渡すシステムです。行きとは異なりますので、念のため。(よって、下船時のチェックはなし)乗船券の全てが相島港で処理されるということですね。
▼待合室で猫が涼んでいるのはさすが猫の島ですね。(上:2018年、下:2017年)
天神からのもう一つのアクセス方法
天神に限らず、JRを利用せずに「西鉄貝塚線」というローカルの私鉄を利用していく方法がございます。JRよりは若干時間がかかるのですが、「鉄分」が含まれている方などにおススメ。あと、西鉄が2018年8月1日から「西鉄電車に乗って相島へ行こうキャンペーン」を実施しています。旅の思い出としてはこのキャンペーンに乗ってみるのもも良いかなあと思い紹介しました。って、自分自身がこのキャンペーンを利用したのですけどね(笑)。
こちらも、基本的に「週末ダイヤ」の紹介となります。
運賃・費用
天神から相島までの総運賃は往復で2,180円(片道1,090円)で、内訳は以下の通り。
地下鉄 | 260円 |
西鉄貝塚線 | 270円 |
マリンクス | 100円 |
渡船 | 460円 |
片道運賃計 | 1,090円 |
往復運賃計 | 2,180円 |
天神から博多まで地下鉄で、その後JR等で行った場合の合計が2,080円なので、こっちの方がちょっと高いのですね。ただ、こちらの場合はマリンクスを利用しなくても渡船場へアクセスできるので、その場合は1,980円と、こちらのほうがちょっと安くなります。
モデル経路・時刻表
地下鉄天神駅から「地下鉄」「西鉄貝塚線」「マリンクス(町営バス)」「しんぐう(町営渡船)」の4つの交通機関を利用する場合の時刻・経路・乗換地点等を以下の表でまとめました。各モデルで、相島で自由に散策できる観光時間も参考記載しています。
春~夏(4/1~9/30)
表の見方は…
- 青字:「マリンクス(町営バス)」
- 赤字:「しんぐう(町営渡船)」
- 黒字:地下鉄、西鉄貝塚線
- 2段書きの場合、上から着/発
経路 | 午前中 | 昼 | 午後~夕方 | |
天神 | 7:49 | 10:18 | 13:18 | |
貝塚駅 | 8:01 | 10:30 | 13:30 | |
8:03 | 10:32 | 13:33 | ||
西鉄新宮駅 | 8:26 | 10:56 | 13:56 | |
8:45 | 11:05 | 14:05 | ||
新宮港 | 8:57 | 11:17 | 14:17 | |
9:20 | 11:30 | 14:30 | ||
相島港 | 9:37 | 11:47 | 14:47 | |
観光目安 | 1時間 | 2時間 | 1時間 | 3時間 |
相島港 | 10:50 | 13:50 | 16:00 | 17:30 |
新宮港 | 11:07 | 14:07 | 16:17 | 17:47 |
11:25 | 14:30 | 16:30 | 18:00 | |
西鉄新宮駅 | 11:37 | 14:42 | 16:42 | 18:12 |
11:43 | 14:58 | 16:58 | 18:28 | |
貝塚駅 | 12:08 | 15:24 | 17:24 | 18:52 |
12:10 | 15:33 | 17:28 | 18:58 | |
天神 | 12:23 | 15:30 | 17:42 | 19:13 |
秋~冬(10/1~3/31)
経路 | 午前中 | 昼 | 午後 |
天神 | 7:49 | 10:18 | 13:18 |
貝塚駅 | 8:01 | 10:30 | 13:30 |
8:03 | 10:32 | 13:33 | |
西鉄新宮駅 | 8:26 | 10:56 | 13:56 |
8:45 | 11:05 | 14:05 | |
新宮港 | 8:57 | 11:17 | 14:17 |
9:20 | 11:30 | 14:40 | |
相島港 | 9:37 | 11:47 | 14:57 |
観光目安 | 1時間 | 2時間 | 2時間 |
相島港 | 10:50 | 14:00 | 17:00 |
新宮港 | 11:07 | 14:17 | 17:17 |
11:25 | 14:30 | 17:35 | |
西鉄新宮駅 | 11:37 | 14:42 | 17:47 |
11:43 | 14:58 | 16:58 | |
貝塚駅 | 12:08 | 15:24 | 17:24 |
12:10 | 15:33 | 17:28 | |
天神 | 12:23 | 15:30 | 17:42 |
乗換地点での振る舞い
博多駅⇒JRルートにはなかった乗換地点での説明です。
貝塚駅
地下鉄の出口を出たら目の前に西鉄貝塚線の改札があるので、直結と言ってよいでしょう。貝塚駅は地上駅なのですね。出口は進行方向一番前にあるので、地下鉄に乗る際には一番前の車両に乗ると乗換時間が短くすみます。交通系ICカードを持っていれば、そのまま改札機を通ってください。西鉄貝塚駅改札の右側にnimocaポイントをANAマイルへ交換できる「ポイント交換機」がありますので、利用される方はどうぞ。
▼営業時間が意外と長かった。
西鉄新宮駅
ココでコミュニティバス「マリンクス」に乗り換えるのですが、バス停は駅の真ん前ではありません。歩いてすぐの場所にあるのですが、ちょっとわかりづらいかもしれないので解説しますと、
▼改札を出て左側へ。(写真だと右側、自動販売機のある方)
▼すぐ信号に当たるので渡ります。
▼渡ってすぐ左側に停留所が見えます。
▼徒歩で行く場合はこの案内図を参考に。約20分。記録的猛暑でなければ、歩いて行ったのですが…さすがに命の危険を感じるので断念。
相島の猫ちゃんたち(参考)
2017年夏は島内一周含めて2時間、2018年夏は猫歩きに絞って1時間相島に滞在しました。本記事では、2018年夏の1時間でどれだけの猫ちゃんたちに遭遇したかをお伝えしましょう。
▲一番印象に残っているのは、この親子ネコでした。
▲ヒトに慣れているネコが多かったです。結構なついてくれるので、とても癒されます。餌やりとかは禁止されていますので、念のため。
▲重複しているのもあるかもしれませんが、なにぶん数百枚撮影しているので…スマホのカメラでなく、ちゃんとしたのを持っていけばよかったかも。
とにかく歩けば猫に当たるという感じで数えきれないほどだったので、何匹の猫ちゃんに遭遇したか、全く覚えていないという結末でした。単身赴任生活期間が長くなった分、去年よりも癒された感が強かったです。
基本、猫ちゃんたちがいるのは港の周辺です。その辺をぶらぶら歩いていれば、苦労することなく猫ちゃんたちに遭遇することでしょう。ぜひ、皆様も実際にご覧になり、ご自身が思う構図で良い写真を撮ってあげてくださいね。
一方、これだけの数がいると、住民の方も大変ではないかと思います。増えすぎるのはアレだし、だからと言って「猫の島」として世界的に有名になった以上、減らしてしまうのもアレでしょうし、うまく共存できることを願ってやみません。外国人観光客も多いですし。
あと、この際「世界6大猫スポット」を全制覇したいという気持ちが強くなりました。行くのに問題がありそうな場所はなさそうなので、数年後には達成するでしょう。(アンタルヤ方面には行ったことがないのですが、検討したことはあったので何となく土地勘はあります)
私事ですが、「世界●大~」っていうのにめっぽう弱く、どうしても制覇したくなってしまうクセがあるのですよね。旅行者で有名なのは、世界三大夜景、世界三大がっかりスポット…ですが、これらはもちろん制覇済。
「西鉄電車に乗って相島へ行こうキャンペーン」で、西鉄貝塚駅~相島までの乗車券・乗船券をゲットしたので、来年までにもう一度相島へ行く予定です。
当初は、ちょっとわかりづらいという感想を持った「西鉄電車に乗って相島へ行こうキャンペーン」を解説する目的で記事を書く予定だったのが、結局相島と猫への愛を語る記事になってしまいました。キャンペーンに関しては、別の記事にしようかと思います。(自分のスキルでは困難ですが)英文の記事にしたらアクセスが増えるのかしら!?
世界遺産となった「宗像大社」もすぐ近くにありますので、福岡でもう少し時間が取れる方はぜひセットで行かれることをお勧めします。
▼本記事と同様、宗像大社や宗像大島までの詳細なアクセス方法・行き方・体験記などをまとめていますので、是非参考にしてくださいね。
宗像大社、宗像大島へのアクセス、行き方、モデルルートを紹介!「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」ありがとうございました。