イスラエルは、世界一入国審査・出国審査が厳しい国と言われています。
世界●0ヶ国渡航を目指している私ではありますが、噂に聞くその厳しさからこの地に足を踏み入れる気にはなれず「行きたい国リスト」から除外していました。
しかし、ひょんなことから、そこまで厳しくなさそうと思われる出入国方法を発見。
実際足を踏み入れた結果、入国審査・出国審査ともにそこまで厳しくなかったということがありましたのでご参考まで紹介したいと思います。
もくじ
空路?陸路?それとも…
地球で3次元の世界に生きている限り、「陸・海・空」しか方法はありません。
陸路・海路・空路どれが一番マシなのだろう…とは以前から漠然と考えていました。
陸路入国(出国)
周囲は、イスラエルにとって不倶戴天の敵、アラブ諸国。
すでに入国可能な場所は限られてしまってますが、いずれにしても敵国からの出入国についてはチェックが厳しくなるのは想像にたやすいでしょう。
空路出国(入国)
『テルアビブ空港乱射事件』
テルアビブ空港の特に出国審査が厳しいのは、日本赤軍がテロを起こした事件の影響があると言われています。
水戸黄門の印籠が如く他国ではすんなり通してくれる日本のパスポートも、ここでは逆効果だそうです。
海路(入国・出国)
ということで、海路入国が一番マシなのかなあと。
海路でのイスラエル出入国を検討
2015年秋。
キプロスへ行く機会があって、欲張りな私はいつも「プラスワン(+1ヶ国渡航)」を検討。
当初はエジプトを考えていたのですが、きな臭い雰囲気があったので回避。
改めて地図を開いてみると、イスラエルが意外と近いことが判明。
飛行機だと1時間半程度と日本国内線並みの距離ですが、出入国地点はあの泣く子も黙るテルアビブ空港。
うーん、やっぱり海路かなあと「海路での入国」を本気で検討調査。
しかし検索しても思うような情報はなかなか得られず、
- キプロスからイスラエルへの定期航路はない(昔はあったらしい)
- 貨物船は不定期に運行しており、ほんの少しだけ人が乗れるらしいが具体的な方法は不明
八方塞がりとあきらめかけたのだけど、
「地中海なら、ひょっとしたらクルーズ船が寄港するかも」
「cruise」を検索条件に加えてみたら、出てきたではありませんか。
Cruise to Israel – The Holy Land
日程はかなり限定されますが、サラミスクルーズ(Salamis Cruise Line)というキプロスの船会社が、たまにイスラエルのハイファという港へ寄港するプランが。
海路イスラエル出入国体験記
クルーズ予約について
これまた検索して出てきたキプロスの旅行代理店を通じて予約しました。
Book a 2016 Salamis Filoxenia cruise from Limassol, Cyprus to Greece or the Holy Land
クルーズ会社のサイトからも問い合わせ→予約できるのですが、当時は旅行会社を通じた方が条件が良かったのでこちらを選択した記憶があります。
レスポンスは早く、質疑応答もありつつスムーズに手続きが進み、当日中に予約完了。
決済のためカード情報を伝える必要があってその時は緊張したのですが、特に何事もありませんでした。
キプロスのニコシアという都市を散策中に偶然実店舗を見つけたのでパチリ。営業時間前でClosedでしたが。
費用はピンキリで2017年だと約300ユーロ~ですかね。
2泊分の宿泊費+ビュッフェ4回分+現地までの往復費用と考えれば、決して高くないと思います。
私の時は最安の部屋(内側窓なし)で一人部屋追加料金含めて371ユーロだったのですが、自分の計算よりなぜか請求額が安かったのですよね。
クルーズ船について
1975年建造と相当年季が入った船で、船内を散策して最初に思ったのは『懐かしい昭和の香りがする』でした。
カテゴリはいわゆる「カジュアル船」。ただし、日本に就航しているカジュアル船よりも多少グレードが落ちる感じです。
念のため旅行代理店にドレスコードを尋ねたら「スマートカジュアル」と言われたので、念のためジャケットと襟付きシャツを持ってきたのだけど…
食事会場でジャケットを着ている乗客など皆無でしたね(笑。
バックパックの結構なスペースをジャケット等に使ったのに、スペース返せ!と言いたかった。
そんな船内の写真はこちら。
客室
船内
ビュッフェ
以下は初日の夕食。キプロス料理のビュッフェだそうです。
キプロス料理と言われても???かもしれませんし私もよくわからないのですが、誤解を承知で申し上げれば「ギリシャ料理とアラブ料理を足して2で割った感じ」でしょうか。
開始時間はとにかくカオスで、奪い合いの戦場(?)。
ドリンクは別途(有料)。
ミネラルウォーターは地上と同じ価格だったので、安心して頼めると思います。
が、ぶっちゃけ初日との違いがよくわかりませんでした。
味付けも似たようなもの。
過大な期待は禁物です。
寄港地の様子
リマソール(レメソス)@キプロス
Limassol(Lemesos)はキプロス最大の港町で、立派な国際港。
旧港と新港があって、このクルーズ船は新港から。
二つの港は結構離れているので、間違ったら悲惨な目にあいます。
どちらから出るかは事前に確認しましょう。
ターミナル内のイミグレーションで出国手続き。ちゃんと?免税店もあります。
街中までは公共交通機関・タクシーがあるようですが、私はレンタカーを使ってアクセスしたのでこの辺りはよくわかりません。
レンタカーの場合は有料駐車場に停めて2泊3日(48時間以内)で18ユーロ(2015年当時)。
ハイファ@イスラエル
フェリーターミナルの類はありません。
ので、以下は入国する前に船内から撮影した港の様子。
クルーズ船が停泊しています。
彼女がいないと出国できず大変なことになるので、姿を見て一安心。
出入国審査の状況について
入国審査の手順
- 船内チェックイン時にパスポートを預ける
- 入国審査前、パスポートと入国書類(誰かが作成済)が返却される
- 船内に作られた特設入国審査場で入国審査
- 入国審査後そのまま下船
の要領で行われ、接岸後にイスラエル側の入国審査官達がぞろぞろ船内に乗り込みます。
入国審査の列に並んでいるところ。
入国審査の状況
女性の入国審査官でした。
特に厳しい雰囲気はなく、思ったよりはフレンドリーな感じで以下のようなやり取りがありました。
審「イスラエルは初めてか」
私「はい」
審「どこへ行くのか」
私「ハイファとテルアビブです」
審「テルアビブへはどうやっていくのか」
私「電車で行く予定です」
審「イスラエルに知人友人はいるか」
私「いません」
所要時間は5分とかからず、あっさりと入国成功。
例によって入国スタンプは別紙に押され、パスポートに押されることはありませんでした。
出国審査の状況
船外にある仮設出国審査場で、別紙を渡しておしまい。
まとめ
イスラエルへの出入国について検索してこられた方は、先人達の苦難をご覧になってきたかと思います。
それらと比べて、なんとあっさりした出入国だと思われたことでしょう。
やや変則的な出入国方法ではありますが、キプロスへ行く機会があれば、それは即ちイスラエルへ楽に出入国できるまたとない機会ということになります。また、キプロスでなくても他国からの地中海クルーズでイスラエルへ寄港するケースもあろうかと思います。
ピンポイントで検討…はなかなか厳しいかと思いますが、ワンチャンスがあればぜひ検討してみてください。