もくじ
メキシコの長距離バス予約、乗り方ガイド
長距離バス利用のメリット
世界中をマイル旅しているpoya(@poyatrip)です。
マイル旅の一環でメキシコを訪れた際、長距離バスを5回ほど利用しました。
路線 | 会社 |
MEX空港⇄プエブラ | ESTRELLA ROJA |
メキシコ北BT→グアナファト | ETN |
グアナファト→サンミゲル・デ・アジェンデ | ETN |
サンミゲル・デ・アジェンデ→メキシコ北BT | ETN |
MEX空港:メキシコシティ国際空港
メキシコ北BT:メキシコシティ北バスターミナル
鉄道が発達していないメキシコでは、公共交通機関を利用して陸路を移動する場合の足は「バス」。
路線網が充実していて運行頻度が高く、旅行者も気軽に利用することができます。運賃もリーズナブル。
そして、同じ路線でもバス会社によって快適性や所要時間に差があるのが特徴。
バス会社によるグレードの違い
メキシコの長距離バスには、デラックス・1等・2等と3つのグレードがあり、その違いをざっくり説明すると以下の通り。
グレード | 快適度 | 所要時間 |
デラックス | 超快適 | 短い |
1等 | 快適 | 短い |
2等 | うーん… | 長い |
快適度と運賃は比例するのですが、そもそもの運賃がリーズナブルなこともあり、決定的な差はありません。よって、外国人旅行者は原則1等以上を利用することになるでしょう。
2等バスはエアコンがなかったり途中で停まる停留所が多かったり、人の乗り降りが多い分スリ等に合う可能性が高くなるため、おすすめできないというのが一般的な論調のようです。
一方、1等〜デラックスバスはエアコンはもちろん車内トイレ完備、ドリンク&軽食付と至れり尽くせり。そしてノンストップまたは主要ターミナルでしか停車しないので、所要時間の短さもさることながら、治安の心配がなく快適な移動が約束されます。
デラックスと1等の差は会社や路線にもよるのでしょうが、自分が体験した限りではシート配列が1+2(デラックス)か2+2(1等)かの違いくらい。
一方、1等と2等には雲泥の差があるようです。
筆者が利用した中では、ESTRELLA ROJA社が1等、ETN社がデラックスでした。人気が高く利用者も多いPrimera Plus社は1等です。
●●社(1等バス)のような表記はないので、詳しくない旅行者の場合、運賃やシート配列、バス車体を見て等級を見極めることになるでしょう。
前置きが長くなりましたが、当記事では、日本人旅行者が利用する機会が多い2大バスターミナル
- メキシコシティ国際空港バスターミナル
- メキシコシティ北バスターミナル
を発着するバスの予約、乗り方等をレポートします。
メキシコシティ国際空港発着長距離バスの予約、乗り方
メキシコシティには行き先の方角に合わせて東西南北4つのバスターミナルがあり、基本的にはこの4つのターミナルのどれかを使ってバス旅行するケースが多いです。
ただし、これから紹介する一部の都市へはメキシコシティ国際空港からの直通のバスがあるので、わざわざ市内へ出る必要はありません。市内バスターミナルからの運賃よりは割高なのですが、時間がかからない分利用価値が高いと思います。
路線
主要路線としては、以下の通りです。
空港 T1 | ⇄ | 空港 T2 | ⇄ | Puebla |
Queretaro | ||||
Cuernavaca | ||||
Pachuca | ||||
Toluca |
その他、Cordoba、Orizaba、Veracuz、Caminante、San Juan del Rioへのバスもあるようでした。
空港発は、第1ターミナルを出発して第2ターミナルを経由して各地へ。
各地発は、第2ターミナルを経由して終点の第1ターミナルへ、となります。
なお、「宝石箱がひっくり返ったような美しい街」として日本人の人気も高いグアナファトやレオン、サンミゲル・デ・アジェンデへの直行バスはありませんが、Queretaro(ケレタロ )まで行って、そのままグアナファト等行きのバスに乗り換えることが可能です。
これらの都市への直通バス(ケレタロ 経由)が出発する北バスターミナルへは空港近くの駅から地下鉄で1本で行けるのですが、荷物が多い方や地下鉄乗車に抵抗がある方などは、空港からバスでケレタロへ行ったほうが良いと思います。
予約、チケットの買い方
バス会社 | 行先 | 運賃(ペソ) |
Futura | Pachuca | 242 |
ER | Puebla | 310 |
ADO | Puebla | 308 |
Orizaba | 604 | |
Cordoba | 630 |
各社でwebサイトがあり(上表にリンク)オンライン予約できるシステムがあるようですが、日本のクレジットカードでは予約できないと言う評判でした。
それに加え空港からの到着時刻自体が流動的なので、空港発のバスの場合、そもそも予約をしないのが一般的だと思います。
空港に隣接している(繋がっている)バスターミナルのチケットカウンターで、空席がある最早出発時刻のバスチケットを買うことになるでしょう。バス会社別のカウンターがあるので、目的地へ行くバス会社の列に並んで順番を待ちます。
直近の出発時刻のバスに乗れるかどうかは、運次第。筆者がプエブラへ行くのに利用した時は、50分後(2本後)のバスしか空席がなく、プエブラでの予定が狂ってしまいました。
モニター画面を見ながら座席指定できます。おかげでスペイン語ができなくても、指差しでなんとかなりました(笑)。
支払いは現金でもクレジットカードでもどちらでもOKでした。
ちなみに、プエブラ→メキシコシティ国際空港へのバスは、当日の朝プエブラのホテルでERのサイトからオンライン予約を試したところ、日本のクレジットカード情報を入力したのにも関わらず成功。
送られたメールにpdfファイル↑が添付されていて、それがチケットがわりのようです。
紙でプリントしなくても、スマホの画面(QRコード)を見せればOKでした。
そうそう。メキシコの長距離バスチケットを買うには、氏名の登録が必要です。窓口で購入する時は、パスポートを見せると確実です。また、乗車前には、チケットに記載された氏名とID(外国人の場合はパスポート)の照合が行われます。
T1内バスターミナル
メキシコシティ国際空港自体がわかりづらい造り・案内表示になっていて、バスターミナルも例外ではありません。
文字で説明すると
- 出発階(2階)
- 国際線と国内線の間(国際線寄り)にある連絡通路を渡ったところ
ですが、それでもわかりづらいと思うので、参考写真を添付します。
国際線到着ロビーからのアクセスは、エスカレーター等で2階に上がり、国内線ターミナルへ向かう途中、右側に上写真のような連絡通路が見えるので右折してそのまま直進、です。
バスの乗り方
テロ対策&サービスの一環、でそれなりのお作法があり、
- 大きな荷物があれば、チケットカウンターで預ける
- 保安検査を通過
- 無料のドリンク&軽食を受け取る
- 乗車口へ向かう
- 乗車
の流れとなります。
▲目的地別に、ドリンク等が用意されています。出発時刻が近づいてGOサインが出たら取りに行きます。
▲ドリンクは数種類から選ぶことができます。軽食は固定。往復ともクッキーでした。
▲乗車口へは、エスカレーターを降りて行きます。
▲乗車前。預けた荷物があるか確認してから乗車しましょう。
メキシコシティ北バスターミナル発着長距離バスの予約、乗り方
メキシコシティには東西南北4つのバスターミナルがあると書きましたが、日本人観光客が利用する機会が最も多いのは、北バスターミナルではないでしょうか。
通称「Mexico Norte」。チケットに記載される出発地/目的地も「Mexico Norte」となります。
路線
メキシコシティより北にある都市は、概ねカバーされているようです。筆者が利用したグアナファト方面(高原地域)だと、
- グアナファト
- レオン
- ケレタロ
- サンミゲル・デ・アジェンデ
- グアダラハラ
などへの直通バスがあり、それぞれ複数社が運行しているようでした。
予約、チケットの買い方
空港同様、日本のクレジットカードではオンライン購入が困難なので、乗車当日に窓口で購入するパターンがほとんどだと思います。確実に座席を確保したければ、前日までに窓口へ行って購入すると良いでしょう。
一方、各社のWebサイトで(オンライン購入は困難でも)乗りたいバスの空席状況は確認できるので、それを見て前日までに購入するか否か判断すれば良いと思います。
▼ETNの座席選択画面で、空席状況を確認。3席しか埋まってない状況です。
北バスターミナルの窓口。2大人気バス会社で日本人にも人気があるETNとPrimera Plusが並んでいます。
そうそう。
同じバス会社の路線であれば、他都市発路線の予約・発券も可能です。
筆者は、北バスターミナルのETN窓口で、翌日の
- グアナファト→サンミゲル・デ・アジェンデ
- サンミゲル・デ・アジェンデ→メキシコシティ(Mexico Norte)
2枚のチケットを予約発券しました。
あらかじめ希望日時と路線を書いた紙を用意しておいてその場で渡せば、サクサクと手続きしてくれます。対応してくれた方は、多少の英語を話してくれて助かりました。
英語できる人が窓口をやっているのか、それとも基本はスペイン語対応オンリーで今回たまたま運がよかったのかはわかりません。
(参考)オンライン予約できる方法
旅の日程に余裕がないため、特定の日時で確実にバスの座席を確保したい場合など、あらかじめオンライン予約できると助かりますよね。しかし、日本のクレジットカードだと弾かれてしまう…
その場合はクレジットカード以外の支払手段、具体的にはPaypal(ペイパル)を利用すれば問題なくオンライン予約できちゃいます。
Paypalに運賃を支払える残高があり、且つ予約サイトがPaypalに対応している必要がありますが…
▼ETNの支払方法選択画面。Paypalが選択可能となっていることがわかります。
筆者の場合、メキシコシティからグアナファトへ行ける日時が特定の日時に限られていたのと、たまたまPaypalに残高が残っていたのとで、オンラインで予約してしまいました。
オンライン予約したバスチケットはキャンセル不可だそうですが、日時の変更は可能です。
ETNの場合、QRコードで管理してなくてバウチャーをプリントアウトする必要があるのでご注意を。
北バスターミナル
Uberを使ってやってきました。メキシコシティ中心部から見て手前側が、Futura、Primera Plus、ETNと言ったバス会社のチケットカウンター及び待合室となります。
地下鉄(メトロ)でアクセスした場合は中心に出るので、右側にETN等のチケットカウンター。
人気会社は窓口に列ができる一方、そうでない会社は声をあげて客の呼び込みをしている状況、格差を感じます。
中央部は、到着口となっていました。
売店、フードコートなど
中央部の周辺に売店やフードコートが並んでいます。
ドミノピザやバーガーキングなど、世界規模のファストフード店もあっていざという時は安心。
なんの変哲もなさそうなファストフード店だったのですが、かなりの列。おいしいのでしょうか?
手荷物預かり所
手荷物預り所もありました。
大きさによって、値段が変わるようです。
バス到着から空港へ行くのに時間があるから、ちょっと市内観光でもしようか〜なんて時に重宝しますね。
バスの乗り方
チケットには、出発30分前までに…と書かれていました。飛行機並みの時間管理です。
バス会社別に待合室が別れていて、1番待合室は、ETNとPrimera Plus。他の待合室は空いているのにここだけ混雑しています。
各待合室には有料のトイレがあり、5ペソ。利用していないので中の様子は不明です。車内にトイレがあるから利用している人は少ないのかと思いきや、結構利用されていました。
バス会社別の保安検査場。空港ほどは厳しくありません。
自分が利用するバスがどの番号(110とか112とか)から発車するのかは、チケットを見ればわかるはずです。が、オンライン予約した筆者の場合は不明のまま、係員に問い合わせる必要がありました。
大抵は保安検査の前にある乗り場から出発するようですが、グアナファト行きは全然違う乗り場からの出発でした。「ここで間違いないだろう」と思い込み、問い合わせなかったら、おそらく乗り逃したことでしょう…
メキシコシティ国際空港とは異なり、受託手荷物の手続きやドリンク・軽食の受け取りはバス乗り場で、乗車直前に行います。
まとめ・感想
以上、日本人旅行者がよく利用するであろう
- メキシコシティ国際空港
- メキシコシティ北バスターミナル
における長距離バスの予約や乗り方などを紹介しました。
その他都市のバスターミナルでのお作法は、北バスターミナル(Mexico Norte)と概ね同様と思っておけば良いです。
グアナファトやサンミゲル・デ・アジェンデ両バスターミナルでもそうでした。
あと、全体として特に留意すべきは、「時間通りに出発/到着することはほぼないと思った方が良い」ということ。
プエブラ行きのバスは30分以上遅れで到着したし、グアナファト行きのバスは始発にも関わらず20分遅れで出発、サンミゲル・デ・アジェンデ行きのバスは他都市が始発だったようだけど30分遅れで到着・出発…と言った感じでした。
なので、
- 予定よりも1本早めのバスを利用すること
- 時間通り〜10分遅れ程度の運行なら「超ラッキー」と喜ぶこと
を心がけておくと、旅先でストレスがたまりにくくなることでしょう。
そして、デラックス〜1等バスであれば、快適なバス旅となること請け合いです。
「移動そのものを楽しむ」ことを心がければ、長距離バスの旅もあっという間。楽しい思い出と昇華することと思います。
当記事が初めてメキシコで長距離バスを利用する方の参考になれば幸いです。
以上、「【メキシコシティ】初めての長距離バス予約や乗り方など徹底解説!【空港・北バスターミナル】」でした。
快適なANAビジネスクラスを利用して成田〜メキシコシティを往復した時の記事です。14時間もあっという間に感じました。