【チュニジア治安2018】旅行は危険?安全?テロのリスク対処方法など現在の状況をレポート

2018年9月、念願だったチュニジア旅行を果たすことが出来ました。数泊の滞在ではありますが、旅行体験を踏まえてチュニジアはもう安全に旅行できる国になっているのか、まだまだ危険が残るのか、そして気になるテロのリスクに国がどう対応しているのか、また自分自身がどう対応すべきか・どう対応したかなどについてレポートします。

チュニジアの治安と旅行状況経緯

アフリカ大陸にあるムスリム国家ではありますが、地中海に面して南欧のように風光明媚な景色や街並みを楽しめることやカルタゴ遺跡やサハラ砂漠など見どころが多いこと、そしてヨーロッパから近くアクセスしやすい立地であることなどから、「アフリカ随一の観光立国」として名を馳せていたチュニジア。

旅行者泣かせの「三大ウザい人種」の一角であるエジプト人やモロッコ人とは違いチュニジア人は比較的穏やかと言われており、「北アフリカへ行くならチュニジアでデビューすべし」と一部の日本人個人旅行者の間で伝えられてきたくらい、北アフリカの中では最も旅行しやすい国として知られていました。

当局も観光立国であることを意識していて、治安も良好に保たれていた、そんなチュニジアでしたが…

アラブの春のさきがけとなった「ジャスミン革命(2011年)」。その後日本人5人を含む外国人観光客が犠牲となった「バルド国立博物館での銃乱射事件(2015年)」等により、これまでの評価は一転、各種報道により「チュニジア=治安が悪い=危険」と言うレッテルを貼られてしまいました。

外務省の海外安全情報の危険度もレベル2(不要不急の渡航は止めてください)以上となり、実質的に旅行を自粛せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。観光立国であるが故にチュニジア(の観光客)がテロの標的になってしまったので、致し方ない措置と言えましょう。

その後約3年で「治安当局によるテロ対策の警戒体制が強化された」として2018年2月に首都のチュニスやカルタゴ遺跡、シディブサイドを含む中部~北部地域のうち隣国との国境を接しない地域に関しては、レベル1(十分注意してください)に引き下げられ、地域限定ではあるものの実質的にチュニジア旅行が解禁になりました。

危険度低下によりチュニジア一人旅を決行

海外安全情報の更新を受け、2018年夏季休暇の目的地をチュニジア方面へ変更。当初はク〇暑い日本の夏から逃げるため、涼しい東欧横断旅行を予定していたのですが、「この目でシディブサイドを見る」悲願を叶えるため、飛行機のチケットを取り直した次第。家族がついてきてくれるはずもなく、一人旅です。

チュニジアへ旅行するのは初めてですが、アフリカではモロッコ・エジプトに次いで3ヶ国目。3ヶ国目なのである程度慣れている…と言いたいところですが、緊張はぬぐえません。ドキドキしながらチュニス・カルタゴ国際空港での入国審査を受けたのがつい昨日のように思いだされます。もっとも、ドキドキしていたのは緊張半分、とうとう来たぜ!という高揚感半分だったりします。

治安(スリなどの軽犯罪)に関してはあまり心配していなかったのですが、とにかく「テロ」にあうかどうか。世界中どこに居てもテロの不安から逃れられなくなっている今日この頃、運次第とはわかってても、特に勝手が全く分からない初めて行く国は何も想像できないため緊張してしまうのです。

そんな緊張を抱えたままチュニジア旅行を始めた私自身が実際に現地で感じた治安状況や雰囲気などを、同じく一抹の不安を抱えながらチュニジア旅行を検討している方々のために記しておこうと、当記事を作成した次第です。

チュニジア旅行の前に「治安」の観点から最低限知っておくべき内容

ガイドブック等で調べられているかと思いますが、本記事では特に「治安」をキーワードとして最低限予習しておくべき内容をピックアップします。それは、

  • 首都の規模
  • 行き方
  • 物価

私が旅行前に最低限確認しておくのはこの3点です。ただ、現地に行ってから印象がガラリと変わることもあるので当記事では現地での印象を踏まえた内容としています。

首都チュニスの規模

正直、人口がはっきりしないのですが、ネット上の情報を平均すると100万人前後。一国の首都としてはこじんまりしてて、仙台と似た感じだろうという先入観を持って入国しました。しかし、実際行ってみてると想像よりも小さく感じて「本当に100万人いるの?」と思ってしまいました。

首都にしてはずいぶんのどかな雰囲気だなあ」と言うのがチュニス中心部へたどり着いたときの第一感想だったのです。

ただし、これは自分にとっては幾分ポジティブな印象で、安心材料の一つとなったのです。大都市であれば色んな人がいてそれはすなわち悪い人も一定数(特に中心部)いるものですが、悪い人の数自体が少なそうと直観的に思ったためです。

また、ゴミゴミして人口密度が高ければポケットやカバンに注意を払わなければなりませんが、チュニスは一部を除きそのような場面に遭遇することはありませんでした。

行き方(外国人が集まる方法)

日本からチュニジアへの直行便はないため、ヨーロッパや中東経由のフライトで向かうのが一般的です。

経由地航空会社運賃搭乗時間
欧州ルフトハンザ、エールフランスなど高め12h+2.5h
中東エミレーツ、カタール、ターキッシュなど安め12h+6h(ターキッシュは3h)

予算と時間どちらを重視するかで航空会社を決めましょう。

予算に余裕がない場合、フライト予約まで時間があるなら航空会社のマイルを貯めて特典航空券を利用するのがおすすめ。日本各地からチュニスまでのエコノミークラスで60,000マイルが必要になるのですが、「陸マイラー」が行っている”とある”方法であれば簡単に貯めることが出来るのです!

非公開: 【発券済】95,000ANAマイル使ってビジネスクラスでシルバーウィークに地中海巡り!(完了) ▲「とある方法」のおかげで、ビジネスクラスでチュニジアへ行くことが出来ました!

貯めるマイルと使えるマイルの相関関係は下表の通りで、

貯めるマイルマイルを使える航空会社
ANAルフトハンザ、ターキッシュなど
JALエールフランス、エミレーツなど

自分の場合はANAマイルを貯めてターキッシュエアラインズ(トルコ航空)の特典航空券を発券した次第です。

海外旅行が好きな方がマイルを貯めると、旅人生がガラッと変わります!

海路でのアクセスも調べたのですが、移民対策かテロ対策かかわかりませんがヨーロッパ方面からの定期船は極めて少なそうな感じでした。マルタかシチリアへフェリーで移動したかったのですが…調べ方が悪かったのかもしれません。

陸路は、日本人には色んな意味で無理ですが、アラブ国家の民族はどうなのでしょう。テロ実行犯候補の入国可能性が心配なのです。

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物価

チュニジアの現地通貨はディナールで、1ディナール=約40円と比較的脳内換算しやすい状況です。渡航前にざっと調べた中では、日本より安いかなと言う印象でしたが、実際に行ってみて日本よりもすごく安いと言う印象に変わりました。手元のメモから抜粋すると…

SIMカード 11.0(2.5GBデータプラン)
空港バス 0.5
マリン〜シディブサイド電車 0.7
チュニジアビール 3.5
オランジーナ420ml 1.4
水500ml 1.0(観光地価格)
チュニス〜スース 鉄道1等 10.9
マカロン10個120g 8.7
ジェラート2scoops 5.2
ピザマルゲリータ 9.0
(単位は全てディナール)

エジプトほどではありませんが、自分が大金持ちになったような感覚です。3泊4日で10,000円を現地通貨に替えたのですが、全く使いきれずに5,000円分以上余らせてしまったほどです。クレジットカード決済など一度もしていないのに、です。

それはすなわち、チュニジアでは自分が金持ちに見られていることを意識した上で、慎重に行動した方が良いとと言うこと。具体には、みだりに財布を出したり、買い物するときとかに「なにこれチョー安い!」と言うような表情・行動を見せない、と言ったことに特に気を使いました。

チュニジアの治安概要

さて、ここから本題の「治安」に入ります。まずは公式見解から。

外務省の治安評価概要

外務省トップページ > 地図からの選択 >アフリカ(北部)> 地図上の「チュニジア」をクリック

最新状況は上のリンク先を参照してください。

チュニス~スース~モナスティール~スファックスの主要ルートや、観光地として有名なジェルバ島やカイロアンへ行く分には問題ない(レベル1)のですが、南部や国境付近の色が濃く未だに旅行を自粛せざるを得ない状況が明らかとなっています。サハラ砂漠方面はトズールは問題ない一方、ドゥーズはレベル2となってます。これを見て、私はサハラ砂漠をあきらめた次第です…

ただし、外務省の見解は政治・外交関連で「(友好国等への)忖度」等色々な要素が含まれるため、公式見解のみで100%信じ切るのは危険です。やはり、現地でのレポート・印象に勝るものはありません。

以下からは、私自身が感じた「主観的な」印象などを語りますね。

個人的治安評価概要

旅行中に危険な雰囲気を察知することもなければ、危険な目にあったこともありませんでした。元々が観光立国で治安が良く保たれていたという評価だったから当然かもしれませんが、実際に行ってみてそれを確認できてよかったし、無事に帰国してそれを皆様にお伝えすることが出来て嬉しいです。

一方「テロのリスク」を旅行者が察知するのは不可能ですが、不測の事態に巻き込まれないようデモや集会に近づかない政府関係施設に近づかない不要な夜間の外出は控える…等を心がけておきましょう。

チュニジア人は穏やかと言う前評判でしたが、「穏やか」と言うのはあくまでも対ウザい国民との比較であって、実際はアグレッシブでグイグイ来るような印象を持ちました。命の危険とかではないのですが、油断すると危険かも。観光客目当てのちょっと悪そうな人はいそうな感じだったので、声をかけられた時にはご注意を。私も何度か声をかけられました。

あと、ムスリム国家であるはずのチュニジアでは、普通にお酒が飲めるしチュニジア人も普通に飲んでます。チュニスの一部だけなのかもしれませんが、酒に酔ったチュニジア人に絡まれる可能性があるということです。

そして、各地を歩いていく中で、日本と同じような感覚でいては行けないなと言う場面もありました。

チュニジア地域別治安状況

そこで、自分が行った地域を中心に感じた治安状況を個別にレポートします。

チュニス新市街

上の写真は目抜き通りの「ハビブ・ブルギバ通り」で、チュニスに滞在する方は必ずと言ってよいほど通ると思います。日曜日の昼間でこのような感じです。人が多すぎず少なすぎず、治安的にはちょうど良いかなと言うのが第一印象。

ただし、オープンカフェやオープンテラスのレストランが建ち並んでおり、食事の時間帯には歩道が客等で埋め尽くされ、一気に人口密度が上がる感じでした。

昼間は比較的安心して歩けますが、夜になると雰囲気が変わります。何が変わるかと言うと、厳戒態勢?なのか道路が一部封鎖され車両が進入禁止に、そして軍?警察?が封鎖された道路に居座るようになります。

治安の観点からは却って安心なのですが、緊張して街歩きが楽しくなくなってしまいます。また、厳戒態勢?を取るのも必要があってのことだろうということで不要不急の夜間外出は避けておいた方が無難かなと思い、夕食後早々にハビブ・ブルギバ通り沿いの中級ホテル「ホテルカールトン」へ戻った次第です。

チュニス旧市街

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メディナと呼ばれる旧市街。事前調べでは「昼はにぎやかだけど夜になると一気に店が閉まって人が居なくなる」とのことで、夜間の訪問は推奨しないとのことでした。夜間の街歩きは大好物なのですが、チュニジアでは安全第一のため回避、朝の時間帯に観光。

開店前の店が多かったのか、声をかけられることもなく自由に歩けましたね。と言うか観光客自体少な目かも。

私は、お店よりも生活感溢れる路地裏の方が好みなので、節度を持って路地裏に入って散策したのですが危険な雰囲気はゼロ。「ステディカム(ジンバル)」を持って街歩き動画をしていて変な東洋人に見られて目立ったのかもしれませんが、目をつけられることもなければスリに掏られたりするようなこともありませんでした。

スース

 

サヘルの真珠」と呼ばれるスースへも日帰りで行ってきました。こちらのメディナも世界遺産として有名で、チュニスのメディナよりも見応えがありました。メディナ巡りをする場合は、是非スースまで足を延ばしてみてください。

そんなスースの旧市街は観光客慣れしてスレている印象ではありましたが、危険な雰囲気を察知することなく安心して迷うことが出来ました。チュニスよりも親切で気さくな人が多かったように思えます、今思えば。こう言う観光地こそテロの標的になってしまうのかもしれませんが、一刻も早く安心して旅行できる世界になってほしいと心から思った次第。

シディブサイド

シディブサイドに関しては特別記事を作成していますので、こちらを参考にしていただければ。

【シディ・ブ・サイドの絶景】行き方 治安 街歩き観光ガイド

これまで紹介した場所はいずれも観光客が多くなかったのですが、シディブサイドはさすがに観光客でいっぱいでした。そうすると悲しいかなテロのリスクを考えなければならないわけで。

俺的絶景に興奮しつつも、

  • ツアーバスには近づかない
  • 団体客には近づかない
  • 人が多いメイン通りよりも路地裏を中心

を意識して散策したことを、念のためお伝えします。

公共交通機関(鉄道・バス)

自分が利用したのは、チュニス~スースの鉄道往復、チュニス・カルタゴ国際空港から市内へのバス、そして市内からシディブサイド方面へ向かう近郊鉄道だけでしたが、何れも昼間ということもあってか特段危険を感じる場面はありませんでした。ヨーロッパの一部で負のオーラを醸し出していた中央駅もありましたが、チュニスの中央駅はのんびりとした雰囲気で、夜にスースから戻ってきたときも危険な雰囲気を察知することは全くありませんでした。

チュニジアの治安状況等まとめ

あくまでも、自分が行った地域及び自分が体験した限りではありますが、「治安は良好であることを確認・ただし引き続きテロのリスクには注意が必要」とお伝えしたいです。

2017年にエジプトを旅行した時の治安状況もレポートしているのですが、

エジプトの治安状況レポート

自分の中では両国とも似たような治安状況という評価のはずなのに、チュニジアとエジプトとでは感想が結構違ってます。それは、エジプト人含め期待値が無茶苦茶低かった一方、チュニジアは「(テロはともかく)治安は大丈夫ではないか」と思っていたからなのでしょう。

私自身はヨーロッパ主要国の首都で、テロのリスクに注意するため相当緊張しながら街歩き・観光しています。2017年のパリがまさにそうでした。トランジットで1泊しただけなのですが、相当疲れた記憶が今でも残ってます。それに比べれば、チュニスはずっと安心して街歩き・観光できたと思っているので、ヨーロッパの大都市が平気な方はチュニジアへ旅行しても問題なく、むしろ「あの不安はなんだったのだろう」と杞憂に終わるパターンがほとんどかと思います。ヨーロッパで留学中に休暇を取ってチュニジアへ来ている日本人の方とお話をする機会もありました。チュニジア旅行記を目にする機会も増えることでしょう。ただ、女性の場合は事情が異なるかもしれないので、同性の方の記事もお読みください。

行きたいけどどうしてもテロのリスクが気になるということなら、テロにあう確率が高い人が多い街中の滞在を避け少し離れた安全なホテルに泊まるのが良いと、チュニジア随一の高級五つ星ホテル「シェラトン チュニス ホテル」に宿泊してみて実感しました。「シェラトン チュニス ホテル」では心底リラックスして過ごすことが出来たからです。私は大体勝手がわかったので街中のホテルで問題ないのですが、初めてチュニジアへ行くけどテロのリスクが…と思われる方は、「シェラトン チュニス ホテル」を利用して様子を見た方が良いかもしれません。宿泊記をまとめています。

シェラトンチュニスホテル宿泊記

その他、初めてチュニジア旅行する方向けに以下の記事を残してますので、ご参考まで。

チュニス空港での入国審査や両替事情、街中ホテルの宿泊記
チュニジアでプリペイドSIMカードを購入する方法
チュニス空港から市内へのアクセス(タクシー、バス)

 

ありがとうございました。

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